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薔薇の花束

あなたは大きな薔薇の花束を俺に手渡し、

俺は喜んで受け取る。

俺はさらに大きく増やした薔薇の花束をあなたに返し、

あなたは満面の笑みを浮かべる。

さらに薔薇の花束を、受け取り、渡し、受け取り、渡し、、、、、

俺とあなたは、実態のない蜃気楼の薔薇を、日々交換する。

恋愛って、蜃気楼のようなものだ。


36 薔薇の花束

しかし、あるとき、そのやり取りは止まってしまう。

蜃気楼の薔薇。幻の花束なのに、そのトゲはとっても痛かったことに初めて気づく。

そして蜃気楼が消えた後になって、
そのトゲによって傷ついた両手が血だらけになってることを知るんだ。

甘いそれが幻であっても、痛いそれは現実。

それでも、甘いそれに、懲りもせず俺はココロを奪われてしまうのでしょう。

そんな薔薇が目の前に差し出されたなら、いいじゃない、それで。

トゲの痛み、、、「気」の入ってない人間にはわかるまい。
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